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zoom RSS SGLT2阻害薬を解説しちゃいます

<<   作成日時 : 2014/04/11 20:04   >>

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来週にも発売される糖尿病の新薬SGLT2阻害薬について、ちょこっと情報を。

SGLT2阻害薬は絵にあるようにリンゴの樹皮から抽出したフロリジンという成分が主役です。フロリジンは尿細管での糖再吸収を阻害して、尿糖を増やすことによって血糖値を低下させます。1日60〜80gもの糖がでていくので体重も減ります。と、ネットで調べればこのくらいの情報は手にはいりますが、生物学的な説明を追加します。

「腎臓」は実はグルコース恒常性(血液中の糖濃度を一定に保つこと)の維持にきわめて重要な臓器です。寝ているときも、ヒトの脳はグルコースを必要としていますが、絶食状態のため体内でグルコースを産生して脳に届けなればいけません。内因性グルコースの約80%は肝臓で産生され、20%は腎臓で産生されます。腎臓では近位尿細管でろ過したグルコースの再吸収が行われています。

糖尿病患者では、内因性グルコースの過剰生産がおこなわれるため、早朝空腹時から血糖値が高くなります。また腎臓においてはグルコースの最大再吸収能が増大しているため食後血糖値も上がります。
さらにグルコースが尿中にもれだす閾値が上昇しています。正常者で血糖値180mg/dlで始まりますが、糖尿病患者では200mg/dlを超えています。なかなか尿糖がでないということです。このように糖尿病患者の腎臓は誤ってプログラミングされているのです。血液中のグルコースを尿中に排出せずに、過剰に再吸収するように。

そこで、SGLT2阻害薬を投与しますと、尿中にグルコースを排出させる閾値が20〜40mg/dlさがります。これは空腹時血糖値の低下に大きな影響があります。2番目にグルコースの最大再吸収能を低下させるため、食後血糖値の上昇もおさえます。

この薬のもっともすぐれているのは、血糖コントロールがいかに不良でも、インスリン抵抗性がどれほど大きくても、膵臓がインスリンを作っていなくても、腎臓さえ正常なら必ず血糖値が下がるということです。

ただし限界があります。HbA1c値はせいぜい1%くらいしか低下しません。作用機序からみてもっと下がってもいいはずです。これは肝臓が原因です。血糖値が140mg/dl以下になると、肝臓からグルコース産生が劇的に増加しはじめます。肝臓が低血糖と勘違いするわけです。そこで、腎臓のグルコース尿中排出と肝臓のグルコース産生増加が50%くらい相殺されます。この機序はまだ解明されていません。ヒトのからだって不思議で素晴らしいですね。

<大切な話>この新薬の副作用について

尿路感染症、性器感染症、脱水、低血圧などです。やせた高齢者には不向きです。高血圧の薬で利尿薬やACE/ARBをのんでいる患者も注意です。肝不全、腎不全ではもちろん禁忌です。

この薬がむいているのは腎機能の良い若い患者、体重をへらしたい患者、食事療法や運動療法中の患者、メトグルコがのめない患者、メトグルコ・DPP4にオンする、インスリン治療をするほどでもない患者がおすすめです。

ちなみに日本では6剤も発売されます、今年中に。製薬会社はすごい力をいれていて、全部販売はコプロモーションという珍しい現象が起きています。つまり12社がこの薬に関与するわけです。名前も工夫というか、ダジャレばっかり。干しイカ(フォシーガが本当)、すーだら(スーグラが本当)とか。

私は、2週間処方縛りのうちは、あまり使えないですね。でも使ってみたいなあ。

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